0008: Mazda MX-5 Miata 1.5L (ND) [130 ps] at 8’55.852

格好の素材】

車の姿勢変化が作りやすく、その挙動が分かりやすいために、とても楽しく運転できる車だ。例えば、コーナーを駆る場面で、グリップで攻めるか、またはドリフト気味に進入するか、自由自在にコントロールできるのである。それは、フルブレーキングからのコーナー進入に際して、ブレーキペダルを完全にリリースしてからステアリングを入れるか、または多少のブレーキを残しつつ進入を試みるかによって、明確にリアの挙動をコントロールできるのだ。

例えば、Arembergではオーバースピードによる進入のために、ブレーキを踏み続けたことで盛大なドリフト状態に陥った。しかし恐怖感は全くなく、むしろ逆に楽しい程で、車を常に手中に収めているといった絶大な安心感がある。

この訳は、サスペンションが柔らかいために車の姿勢が把握しやすく、かつ駆動系のジオメトリー変化が極めて小さいことに起因していると思われる。ビギナーにとって、恰好の素材となる車だ。

0007: Porsche 356 A/1500 GS GT Carrera Speedster [109 ps] at 9’00.068

ポルシェの原点】

1956年モデルのスポーツカーとはどういうものか、半信半疑でドライブしてみた。それなのに、真のスポーツカーとはこういうものだと、逆に教えて貰うことになった。それは、Nordschleifeを颯爽に何食わぬ顔で走り抜ける勇士を見たら納得できるだろう。

とにかく、ハンドリングに文句は一切無い。思うがままのラインを疾走し、複合コーナーでもその身のこなしは軽快そのものであり、スポーツの本当の意味を教えてくれた。ブレーキもドライバーの意思に常に忠実で、車の基本設計の高さをまざまざと見せ付けられた。一点だけ注文をつけるとすれば、サスペンションがもう少し締め上げられていれば、もっと痛快な走りが得られたと思う。これは、当時のタイヤ性能を鑑みれば、妥当な選択だったのだろう。

時を越えて受け継がれる名車とは、こういうことなのか。ここにポルシェの原点を見た。

0006: Volkswagen 1200 [tuned 100 ps] at 8’55.249

今に蘇る!】

最も非力な車にチューニングを施したら、このニュルでどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、ほんの遊び心でトライしてみた。パワーアップと軽量化を最大限に施して、車高を少し下げて足回りを引き締めてみた。簡単なチューンである。これがどうしたものか、見ての通り別人のように生まれ変わったのである。以前の何かかったるい面影は姿を消して、極めてキビキビ走るのだ。

これはと思い攻め続ければ、裏切ることなく想像以上に期待に応えてくれる。調子に乗って攻め立て続けると、Pflantzgartenの中高速コーナーにて思いっきりインリフトして、右側の前後2輪が大きく浮き上がってしまった。横転してしまうと思ってしまうほどの跳ね上がりである。

やはり重心の高さはどうにもならないのである。その辺りを心得ていれば、古き国民車は今に蘇るのだ。