【普段使い,ベストバイ】

電気自動車がこのNordschleifeでどのようなパフォーマンスを発揮するのが、興味が尽きないところだ。音が静かなのは言うまでもないが、とにかく運転が楽である。それはATだからという理由だけではなく、高速域においてもステア特性は極めてニュートラルなのだ。なので、ドライビングはとても自然で安心感が満点である。強いて言えば、コーナリング中に不用意にアクセルをONにすると、プッシュアンダーステアが明確に現れる。その挙動は、モーターのトルク特性に変動が少ないためであるのか、アクセル開度に正確に比例して現れ、これもまた極めて自然な動きだ。

とにかく、これ程までに安定しているのは、重心がとても低いためであるように思われる。恐らく一番の重量物であるバッテリーが、低い位置に搭載しているためではないだろうか。また、高い剛性を有していることが高い安定性に大きく寄与しているようにも思われれる。カーボンモノコックが使用されているとのことだが、単に剛性が高いだけではなく、軽量でもあることの相乗効果の現れだろう。

Nordschleifeを走られてみての不満点をあえて挙げれば、直ぐにこの車の最高速度に達してしまうことだ。モーターの持つトルク特性から、知らぬ間に140Km/hに達してしまうのだ。普段使いの車としては、ベストバイだろう。